- 2026年6月5日
黒い便の原因とは?考えられる疾患から検査までを【消化器内科医】が解説
黒い便とは?

黒い便とは、便の色が黒っぽく見える状態のことです。
イカ墨や海藻、黒ゴマなど色の濃い食べ物を食べたあとや、錠剤などを飲んでいると、便が黒く見えることがあります。
ただ、便が真っ黒でベタついている、何度も続いているといったときは、胃や十二指腸などからの出血が関係していることもあります。
血液が胃酸や消化液の影響を受けると変化して、黒くベタついた便として出ることがあるためです。
「食べ物のせいかもしれない」と思っても、黒い便が続くと不安になりますよね。
便の色だけでは判断が難しいこともあるため、便の状態だけでなく体調の変化もあわせて確認しておきましょう。
血便や他の便との違い
黒い便と血便は、どちらも出血が関係していることがありますが、色の出方に違いがあります。
赤い血が混じる血便は、大腸や直腸、肛門に近い部分からの出血で見られやすい便です。そのため、便の表面に赤い血がついていたり、トイレットペーパーに血がついたりして気づく方もいます。
それに対して黒い便は、胃や十二指腸など、体の上の方にある消化管からの出血で見られることがあります。
血液が消化されながら腸へ進むうちに、赤ではなく黒っぽい色へ変わっていくためです。
黒い便の原因とは?

黒い便が出る原因は、大きく分けると「食事」「薬」「消化器官の不調」の3つが考えられます。
食事による影響
イカ墨や黒ゴマ、赤ワインなど、色の濃い食べ物や飲み物をとったあとに、便が黒っぽく見えることがあります。
数日ほどで便の色が元に戻るケースもありますが、黒い便が出る前に何を食べたかをメモしておくと安心です。
ただし、真っ黒でベタつく便が続いている、臭いがきついなどの症状がある場合は、疾患が隠れている可能性があるので注意しましょう。
薬物による影響
鉄剤やサプリメントなどを飲んでいると、便が黒くなることがあります。
また、痛み止めや血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、胃や腸からの出血に関係していることがあります。
薬が原因かもしれないと思っても、自己判断では止めずに、お薬手帳や薬の名前が分かるものを持って消化器内科へご相談ください。
消化器官の不調による影響
胃や十二指腸、大腸などの消化器官に不調があると、出血によって便が黒くなることがあります。
特に、胃潰瘍や胃がん、食道静脈瘤などでは、出血した血液が胃酸や消化液の影響を受け、黒い便として出るケースもあります。
このような症状が続く場合は早めに消化器内科をご受診ください

黒い便が一度だけ出たあと、自然に元の色へ戻ることもよくあります。
ただし、黒い便が何度も続いていたり、体調不良が続いたりする場合は、胃や十二指腸などからの出血が関係していることも考えられます。
次のような症状があるときは早めに消化器内科へご相談ください。
- 黒い便が続く
- 吐き気が強い
- 倦怠感が消えない
- めまいやふらつきがある
- 動悸が続く
「少し様子を見れば大丈夫かな」と迷う方も多いですが、大きな病気が隠れていることもあるため、早めに消化器内科で確認しておくことが大切です。
黒い便の原因となる疾患とは?

黒い便は、食べ物や薬の影響で起こることもありますが、消化管からの出血が関係していることもあります。
黒い便の原因として考えられる主な疾患について解説します。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、えぐれてしまった状態になる病気です。
傷ついた部分から出血すると、血液が胃酸や消化液の影響を受けて黒くなり、黒い便として出ることがあります。
みぞおちの痛みや胃もたれ、吐き気などの症状が出る方もいますが、痛みがはっきり出ないまま黒い便で気づくこともあります。
黒い便が続くときは、胃カメラ検査で胃や十二指腸の状態を確認していきます。
食道静脈瘤破裂
食道静脈瘤とは、食道の血管がこぶのようにふくらんだ状態です。
この血管が破れると、まとまった量の出血につながることがあり、吐血や黒い便が見られることがあります。
黒い便に加えて、吐き気や冷や汗、強い倦怠感があるときはなるべく早く消化器内科へご受診ください。吐血がある場合は救急受診も検討してください。
胃がん
胃がんは、進行するまで自覚症状が出にくいこともあります。
がんの表面から少しずつ出血すると、血液が消化されて黒い便として出ることがあります。
胃の痛みや食欲の低下、胃もたれなどが続いているときは、早めに原因を調べておくと安心です。
見た目だけで判断するのは難しいため、消化器内科でしっかりと診てもらうことが大切です。
大腸がん
大腸がんでは、便に血が混じったり、便潜血検査で陽性になったりすることがあります。
出血する場所や腸の状態によって、便が黒っぽく見えることもあります。
便が細くなった、便秘と下痢を繰り返すなどの変化があるときは、大腸カメラの検査を考える必要があります。
黒い便が続くときは、胃だけでなく大腸の状態も含めて確認することがあります。
大腸ポリープ
大腸ポリープは、大腸の粘膜にできる盛り上がりのことです。
小さいうちは症状が出にくいものの、ポリープの表面から出血すると、便に血が混じることがあります。
大腸ポリープによる出血は赤い血として気づくこともありますが、便の状態によっては黒っぽく見える場合もあります。
また、大腸カメラ検査でポリープが見つかった場合、大きさや形、服用中の薬などを確認したうえで、その場で切除することもあります。
小腸出血
小腸から出血した血液が便に混じると、黒い便として出ることがあります。
胃カメラや大腸カメラで原因が見つからないときに、小腸からの出血を考えることがあります。
黒い便の原因を特定するための検査

黒い便が続くときは、便の色だけで原因を判断するのではなく、体の中で出血が起きていないかを確認することが大切です。
消化器内科では、症状や便の状態、服用している薬などを確認したうえで、適切な検査を行います。
血液検査
血液検査では、貧血になっていないか、どのくらい炎症が起きているかなどを確認します。
胃や腸から出血が続いていると、体の中の血液が少なくなり、めまいやふらつき、動悸を感じることがあります。
血液検査だけで全ての原因が分かるわけではありませんが、体の状態を把握するために大切な検査です。
胃カメラ検査
胃カメラ検査は、食道・胃・十二指腸の粘膜を詳しく確認する検査です。
胃カメラ検査では、出血している場所があるか、粘膜にただれや潰瘍がないかを詳しく調べます。
また、がんが疑われる病変が見つかった場合は、病変の一部を採取して顕微鏡で調べる検査も実施します。
検査時間は5~10分ほどで、胃カメラが苦手な方には鎮静剤(眠くなる薬)の使用も可能ですので、不安な場合は事前にご相談ください。
大腸カメラ検査
大腸カメラ検査では、大腸の粘膜を確認し、大腸がんや大腸ポリープ、炎症などがないかを調べます。
肛門からスコープを挿入して、大腸の粘膜の状態を直接観察することができます。
当院では、最新機器と専門の設備を備えているため、精密な検査を受けることができます。
また、患者様に配慮して、検査中の痛みを抑える炭酸ガスなどもご用意しています。
必要に応じて鎮静剤の使用も可能ですので、検査が不安な方もお気軽にご相談ください。
黒い便の治療法

黒い便の治療は、出血を止めるための処置や薬による治療を行っていくことが多いです。
黒い便の原因に合わせて適切な治療をご提案します。
内視鏡検査を活用した出血処置
胃カメラ検査や大腸カメラ検査では、食道・胃・十二指腸・大腸の粘膜を直接確認できます。
出血している場所が見つかったときは、内視鏡を使って出血を止める処置を行っていきます。
たとえば、出血している血管をクリップで挟んだり、薬剤を使って止血したり、熱を加えて出血を抑えたりする方法があります。
出血の量や原因となっている病気によって処置の内容は変わるため、検査で状態を確認したうえで判断していきます。
薬物療法
黒い便の原因が胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの場合は、胃酸を抑える薬や粘膜を守る薬を使って治療を進めていきます。
胃や十二指腸の粘膜に傷があると、胃酸の刺激によって出血しやすくなるため、薬で炎症や傷の回復を助けていきます。
ピロリ菌が関係していると考えられるときは、検査を行ったうえで除菌治療もご提案することもあります。
また、痛み止めや血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、薬が出血に関係していることもあるため、服用中の薬を確認しながら治療方針を考えていきます。
黒い便を改善する自宅でのケア

黒い便が出たときは、まず「食べ物や薬の影響なのか」「体の中の出血が関係しているのか」を見分けることが大切です。
自宅でできるケアもありますが、黒い便が続いている、めまいやふらつきがあるなどの症状がある場合は、無理に様子を見ず消化器内科へご相談ください。
睡眠と休養の時間を確保する
疲れやストレスが重なると、胃腸の働きが乱れやすくなります。
黒い便が出ていて体調にも不安があるときは、まずは睡眠時間をしっかり取り、休養をとりましょう。
お仕事や家事で忙しい方が多いと思いますが、黒い便が続くときは心身ともにリラックスすることが大切です。
栄養素のバランスの良い食事をとる
胃腸に負担をかけにくい食事を意識することも、自宅でできるケアです。
脂っこいものや刺激の強いもの、アルコールなどは胃腸に負担がかかりやすいため、体調が気になるときは控えめにしましょう。
また、おかゆやうどん、野菜をやわらかく煮たものなど、消化しやすいものを選ぶことがポイントです。
服用している薬を見直す
服用している薬が黒い便の原因になっているケースもありますが、自己判断で薬を中止するのは控えてください。
薬の種類によっては、急にやめることで体に負担がかかることがあります。
そのため、黒い便が出たときは、お薬手帳や服用中の薬が分かるものを持って、早いうちに当院へご受診ください。
藤沢市で黒い便についてお悩みの方は【牛腸内科クリニック】へご相談ください

黒い便が出ると、「食べ物の影響なのか」「病気が隠れているのか」と不安になりますよね。
すぐに便の色が戻ることもありますが、黒い便が続いている、吐き気が強い、動悸が続くといった症状があるときは、体の中で出血が起きている場合もあります。
当院では、便の状態や服用している薬、生活習慣などを丁寧に確認し、必要に応じて検査をご案内します。
黒い便の原因は見た目だけでは判断が難しいため、不安を抱えたまま過ごさず、一度ご相談ください。
消化器内視鏡専門医が痛みの少ない検査を行いますので安心して受けることができます。また、完全個室の下剤内服室も用意していますので、リラックスした状態で大腸カメラ検査を受けていただくことができます。
藤沢市で黒い便や胃腸の不調にお悩みの方は、当院へご相談ください。
